相談室長のエッセイ集

お坊さま

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20代半ばになった息子は、巨体と坊主頭で年齢よりは年上に見られることが多い。息子の大学は色々な年代の方々がいて、卒業式に参列したときには、私は年上の奥さんに間違われた。その同級生の方は年若い女性を連れていたが、様子から奥様に思われる。「いや~お母さんでしたか」と間違えて照れくさそうな男性は、連れの女性を妻だと紹介してくれた。

山形の温泉に出かけたとき、ホテルのスナックに入ると、ママさんがお寺関係の方ですか?と聞いてきた。浴衣姿がさまになっていたのだろうか。その時も「若いお母さんんでいいですね』と言われていた。私は決して和歌作りしているわけではないので、よほど息子が老けて見えるのだろう。息子はそのことでいつも苦笑いするしかない。

その息子は、家では作務衣を着ている。仕事着にしているのだ。出かけるときにはTシャツに着替えていくが、先日作務衣のままでスーパーに出かけた。すると、やはり坊主頭に作務衣だからお坊さんに間違えられたようだ。お坊さんがスーパーの籠をぶら下げて買い物している様子に、ぎょっとされたり好奇の目を感じたりしたと言うが、一人のおばあちゃんが側を通り過ぎるときに、胸の前で合掌して通り過ぎたとのこと。

そんな仕草をされて息子もぎょっとしたと言う。我が家の菩提寺の和尚様は私と同世代だが、外出時は作務衣など着ないし自宅でもジーパン姿である。作務衣姿のお坊様は、大きな寺で修業されている方々だろう。それにしても浴衣を着ただけで、世情に明るいスナックのママがお坊さんだと間違えるのだから、息子の風体もその精神ももしかしたらお坊様の悟りに近いものがあるのかもしれない・・・。

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